MBAクラス 1週目の様子
さあようやくクラス開始について書きます。
MBA開始第一週目、これは生涯忘れることのない思い出です。
MBA初日とクラスの構成
準備コースを終え、10月1日になりました。
指定されたLecture holeに向かいます。
ドアを開けた瞬間、目に入ってきた教授席を取り囲むような半円のクラスルーム。
教授席には「MBA」の文字、席には私のネームカード。
この瞬間、私はようやく目指してきた目標の入り口に立てたのだと、心が震えた思い出があります。
アジア系ばかりの準備コースとは異なり、世界各国からやってきた同僚たち。私のクラスは21か国からやってきた51人で構成されていました。
教室に貼ってあった世界地図に自分が来た国をポイントアウトすると、北米、南米、東アジア、南アジア、豪州、欧州、アフリカと地図が埋まるほどのナショナリティーの多様さです。バックグラウンドも様々で、マーケティング、ファイナンス、エンジニア、HRと業種もばらばらです。もちろん業界も銀行、メーカー、コンサル、さらには軍隊出身まで!年齢も上は39歳から下は※25歳までという構成でした。
※20歳で大学を卒業、5年の職務経験
このような状況下、緊張の1週目を迎えることになりました。
MBA1週目 試練の初週
まずはMBA Directorによるコースの概要や目的について話がありました。
早速バンバン質問する同僚たち。やや圧倒されながらもなんとか話についていこうと精一杯話を聞きます。その後は怒涛のグループワークの開始です。いきなり専門科目についてやるのではなく、まずは工作のようなことをグループでやります。例えば期の枠組みなどを使い、目標とされるものを作ること。当然ながら作成物が目標ではありません。その過程でこの多様なメンバーと一つの目標に向かって進むことが如何に難しいかを痛感させることをMBAオフィスとしては狙いとして設定していたと思います。ともかくこんなに多様な面々がそろうと一つ物事を決めるだけでもものすごく時間が掛かります。お互いの思考パターンが異なる為、プロセスの考え方が合わないという側面にぶつかります。
またこれは不思議なことなのですが、英語がお互い堪能であっても会話がうまく成り立たないという奇妙な現象がありました。
クラスでイギリス人とインド人が会話しています。お互い途切れず言葉を交わしているのですが、後ろにいたタイ人が怪訝そうにのぞき込み、こう言いました。
「お互い違うことを話しているように聞こえるんだけど・・」
これはタイ人の見解が正しく、実がお互い理解しあわないまま、自分の解釈でひたすら話していたというオチです。イギリス人は当たり前ですが、インド人もほぼネイティブです。IELTSで言えばSpeakingで9.0をたたき出すくらいの正確さですが、なぜか通じ合いません。これはお互いのバックグラウンドが異なるがゆえに思考のパターンがかみ合わず、お互い相手の言っていることを自分の恣意的な解釈で受け取り話しているためです。
このあとDirectorより、こんな話がありました。
「みんな、他人のことを自分と同じ星に住んでいる思い込んでいる」
これは当然比喩的な言い方ですが、要は自分の解釈で相手を見ているということです。
この解釈は自分のバックグラウンドによって大きく左右されます。
比較的近い人物には話が通じ合うのですが、これが地球の裏から来た別の経歴の持ち主と話すと英語の問題と違う部分で話がずれてしまうということです。
このような状況下でもグループワークは続きます。私のクラスの場合、週末にキャンパスから離れて、1泊2日でグループワークを行いました。はっきり言って本当に疲れました。朝から深夜までひたすらグループで協議し、実行というハードスケジュール。ともかくみんな自分の言いたいことを言い合うドッチボール大会状態です。話が終わっていないのに自分の言いたいことが終わって満足したのか、勝手に部屋に帰って眠る人も。
やはり我々日本人含むアジア系は静かになりがちで、もっと意見しろとフィードバックを貰う始末。ようやく2日目の夕方になりバスでキャンパスに帰る際にはヘロヘロでした。本当にMBA1週目は1カ月間、もしくは3か月くらいを一気に過ごしたような疲労感でした。ただ帰りのバスで横の友人(韓国)とこんなことを話したことを今でも覚えています。
「こんなにつらい1週間は初めてだ。ただそれでも1週目を乗り越えられた。
だから自分たちはやっていけるはずだ。」
なお後でみんな仲良くなった後に話したのですが、1週目はほぼ全員クタクタで、中にはもう帰りたいと家族に話していたという人もいたそうです。今となっては笑い話ですが。
みんな悩んで、しかし、やりきっていけた1週目でした。