MBA 成績の付き方 筆記試験編
MBAでは下記のようなテストによって評価されます。
①エッセイ
②プレゼンテーション
③試験
今回は③筆記試験について書いていきます。
この時代でかつMBAの試験でまさか筆記試験があるとは、というのが正直な印象でした。IELTSの筆記Writingの経験がこんなところで活きるとは。 当然ながら一発勝負ですので、中々の緊張感の中であったことをよく覚えています。
準備期間と試験時間
クラス終了後、数日内に行われることもあれば少し間が空くこともありました。たとえばWinter breakをはさんで休み明けからというようなパターンもあり、この場合は2週間程度の猶予がありました。ただそういう試験の場合は対策もかなりしなければならないので、時間があるからラッキー、というわけでは決してありませんでした。
実際の試験時間は約2時間程度です。ひたすら回答用紙に書き続けます。なお私のクラスではノンネイティブは紙の辞書(電子NG)は持ち込んでもよいというルールがありました。しかし実態はとにかく辞書を眺めている時間などありませんし、そんなに細かいスペリングで悩んでいる暇もありません。事実、教授からも多少のスペリングミスでは減点はしないという発言もありました。
なお私が個人的に気にしていたのは、文字の汚さでした。恥ずかしながら達筆にはとても遠い私は、制限時間の中でスピード感をもって書き連ねれば連ねるほど文字は汚くなってしまいます。結果としてはきちんと読んでもらえましたので、大丈夫でした。余談ですが、他の生徒やなんと教授の文字はもっと読めないこともありました。とある教授が「インテリジェントな人ほど文字は汚いものだ」と笑っていました。
試験内容
基本的には全て論述です。以下のようなパターンがありました。
①クラス内で扱ったトピックの中から、数行の質問が出されてそれについて論述
(General Management系のクラス)
②事前に資料を渡され(ケーススタディのようなもの)、それについて論述
(Marketing, Strategyなど専門系のクラス)
③短文が複数提示され、それについてAgree/Disagreeを選択し、理由を論述
(Financeのクラス)
①と②に関してはエッセイを時間内に鉛筆で書くという解釈で間違いありません。きちんと復習をし、クラスで学んだ内容を活かした分析を行うことで評価につながります。如何せん時間が限られていますので、私の場合はA4で3~4枚で提出といった感じでした。書くスピードが早い生徒だと5枚以上という人もいました。なおこの回答の量については最低数や最大数といった指定はありませんでした。考えてみると、一人ひとり文字の大きさも違いますし、そもそも紙の文字数をカウントすることなど手間がかかってしょうがないので。
③についてはFinanceで実際にあった試験方法です。ただでさえ難しいFinanceが筆記かよ!と頭を抱えたものです。なお関数電卓(クラスでレンタル配布)が持ち込み必須でした。単純なAgree/Disagreeだけでは点にならず、理由を短く論ずる必要があります。下手するとFailになりかねない恐ろしい試験条件でしたので、必死に事前準備をしました。図書館にない本を試験のためにAmazon UKで買ったのは後にも先にもこのFinance試験のみです。結果は無事合格(Distinction!)で、胸をなでおろしたことをよく覚えています。
試験対策
上述した通り、基本的には時間内に書くエッセイです。クラスの内容をきちんと理解し、それをベースに自分の論を組み立てれば良いのです。しかしクラスの内容はとても早く、理解が追い付かないこともあります。そのため私は試験対策として「みんなで勉強会」を主催することにしました。
この目的は主に3つです。
①授業の内容についての考えをみんなで共有する
みな同じクラスを受けても、当然ながら理解力には差が出ますし、良い意味で違う解釈をすることもたくさんあります。(とくにGeneral Management系) これをお互い出し合うことで自分の理解を深めたり、新たな意見を取り入れることが出来ます。
②自分を律する
言い出しっぺが何も用意せずにさあ勉強会をやろう、といっても始まりませんので、そのために復習をよくしました。自分が分かったところ、分からなかったところをスライドにまとめたり、ケーススタディの解釈を作ったり、Financeの場合は計算問題まで他のテキストから持ってきて作りました。このように自分を律するということも目的としていました。
③チームワークを良くする(仲良くなる)
50人程度いるクラスではなかなか全員といっぺんに仲良くなることは難しいです。グループワークが一緒になったメンバーは大体人となりが分かるのですが、なかなか一緒にならないメンバーとこういった場で一緒に勉強することで、その人を知ることが出来ました。そうすると次のグループワークで一緒になった際もやりやすくなります。また相手に自分を知ってもらうこともできます。
以上のような目的で私は勉強会を複数主催してきました。
MBAは絶対評価です。上位何割がDistinctionという決まりではなく、自分がきちんとパフォーマンスを発揮できれば成績が付きます。ですので、競争というよりも協創という環境です。自分の知っていることはためらうことなく相手に伝えた方が良いです。そうすると相手も自分の考えや知識を教えてくれます。お互いが助け合い、Win-Winな関係を作り上げていくことが必要です。