MBAのグループワークと序盤のTips
MBAでおそらく皆様がぶつかるであろう壁、それがグループワークです。このグループワークは避けて通れませんし、むしろMBAの醍醐味でもあると私は感じました。今回はグループワーク、特に序盤のTipsなどを述べていきます。
MBAのグループワークはなぜ難しいのか
そもそも留学におけるグループワークは難しいと言われ、多くの日本人が苦慮しています。その中でも私はMBAのグループワークは非常に難しいものと思っています。
理由①カリキュラムが多忙で、トピックが目まぐるしく変わるため
以前の記事から書き続けていますが、とにかく短期間でいろいろなことについてディスカッションをしながら取り組む必要があります。自分のバックグラウンドに近いトピックでない場合、まずは自分の理解から深める必要があります。そうなれば必然的にグループワークそのものも難しくなっていきます。
理由②様々なキャリアを経験してきたプロが集まるため
コンサル、ファイナンス、HR、エンジニア
メーカー、銀行、流通、行政
などなど多様なキャリアを持つ生徒が一堂に会する場がMBAです。みんな自分の経験があり、自分なりの目線をもって対応が出来るメンバーが集います。こうなると当然意見の相違が出てきます、同じトピックでもモノの見方が全く違うことがあります。ある意味成功体験をたくさん持っている方が多いので、その経験や思考パターンを正解として考えがちです。そしてそれは当然みんな異なります。
理由③年齢、国籍なども非常に多様であるため
これは選択したMBAコースによってそうでない場合もあると思いますが、大概のクラスに当てはまると思います。これにより言葉のイントネーションといった分かりやすいポイントから思考方法も変わってきます。これらがグループでの活動をより難しくしていきます。
以前の記事でも書きましたが、最初のころのグループワークはまさにカオスです。その中でも東アジア系の出身はどうしても静かになりがちです。日本、韓国、タイなど私も含む面々は非常に苦労したと思っています。とにかくマシンガントークの中に入れないと発言しろ、とチームメイトから見られますので、最初はグループワークのたびに大変な思いをしたのを今でもよく覚えています。
なお私は、「Nationalityは個人の性格を決定しない」と思っています。その人は性格やその人によって決められるものです。ただしコミュニケーションの初期段階においては、やはり出身によって傾向が出ると思いました。なお慣れてきてからはその人により、性格が出てくるので出身による傾向というのはなくなってきます。
ガンガン自分の意見を述べる他国の学生に押されがちな理由としては、
・英語力がネイティブに比べて低い
・相手の意見を尊重する
・話の流れを重視する
というようなことが考えられます。
ではどうすればいでしょうか。
以下はMBA序盤のTipsです。
MBAのグループワーク 序盤のTips
①話の流れに合わせることに意識を取られすぎず、自分の意見を述べる
まだ知り合って間もないメンバーの中で、とにかく猛スピードで進む会話の流れを読み、それに合った適切なコメントを出すのは至難の業です。以前の記事でも書きましたが、ネイティブ同士でかみ合わず会話を続けている場合だってあるのです。ここで???を並べながら待っていたら、自分の意見を述べる機会は生まれません。ですので、ここは話の流れと違うかも?と思っても、とにかく自分の考えを述べましょう。もちろん全く関係ないことを話してもいけませんが、例えばトピックになっている話を自分で調べてきた内容などであれば、チームメイトは歓迎するでしょう。基本的に前向きな姿勢や善意は評価されます。
このためには事前の準備が肝要です。私はケーススタディーなどがあれば必ず事前に読み込み、自分の考えを事前にパワポのスライドなどにまとめてみたりしました。これにより多少スピーチに自信がなくても、自分の考え方が伝わる可能性が高くなります。その努力を否定する人はいないでしょう。
②会議室の予約、資料の準備、スケジュールの設定などを積極的にやる
スピーチやディスカッションが大好きな人はたくさんいますが、意外とこういった細かいことに無関心な人は多いです。「こんなの誰でもできる」と思うかもしれませんが、グループが活動していく上では重要です。それであれば自分がやればいいのではないか、と思った私は積極的に実施するようにしました。チームメイトの信頼はもちろん、これらをやることでグループが今日何をするのか、今後どうするのかというプロセスに自分ががっちりとかんでいくことが出来ます。これらを雑用と考えるのはあまりにもモッタイナイです。
また私は自分のパソコンで資料投影を良くしていました。これにより議論が自分のスライド投影のスピードと一致してきますので、少し議論をコントロールできるようになり、また各自の意見を資料に書き込むことで全員に見える化が出来ます。ホワイトボードの前に立ち、意見をまとめるという方法もよいでしょう。
以上が序盤のTipsの一部です。
序盤はどうしても信頼関係が不足しているため、苦労しがちです。
ですが、これを乗り越えれば話の流れをもっと良い方向に持っていける意見が言えたり、グループの中でリーダーシップを発揮することも出来てくるはずです。