MBA フレームワーク Situational Leadership
MBAでは色々なフレームワークやセオリーを使います。何度かに分けて、それらについてご紹介をしていきます。
今回はSituational Leadershipについてご紹介します。
Situational Leadershipとは
Situational Leadershipとは文字通りリーダーシップを状況に応じて使い分ける方法となります。これはどんな状況でも画一されたリーダーシップを取る方法と異なり、相手によって、場面によって、緊急度によってなど状況に応じて使い分けるやり方です。近年において状況は目まぐるしく変動し、いわゆるVUCA Worldになっています。ビジネスを取り巻く環境は日々変動し、またグローバル化の流れによりビジネスの相手も多種多様になってきています。その中において如何にリーダーシップを発揮するか、このフレームワークを覚えておくことで柔軟に対応できることではないでしょうか。
当ブログで良くご紹介する4つの枠で区分けをするスタイルです。横軸はDirect behavior、簡単に言えばあれをしなさい、これをしなさいという指導的な態度を取ることを示しています。左ほど少なく、右ほど多くなります。縦軸はSupportive behavior、何か困っている?助けようか?というサポート型の態度を取ることを示しています。この二軸により、4つのスタイルに分類することが出来ます。
Directing
左下に属するHigh Directive、Low Supportiveなリーダーシップスタイルです。これはまさに指示型であり、これをこういうやり方でやってくれという指導をしていくパターンです。自分が完全に主導権を握り、相手の行動をコントロールするやり方です。これが有効なのは新入社員などまだ自分自身で考えて行動することが難しい相手に対して有効なアプローチです。全部指示を出さなければならないという大変さもありますが、ある程度思った通りの行動を相手に取ってもらいながら、覚えてもらうことが出来るでしょう。
Coaching
右上にあるHigh Directive、High Supportiveなスタイルです。指示も多く出しますが、一方で相手の意見もよく聞き、助けながらやっていく方法になります。文字通り最近はやり?のコーチングスタイルです。Directingがまだ必要なものの、一方である程度自分でもその指示をこなせる相手のやり方を支援するような方法です。新人から少し成長した相手にさらなる飛躍を遂げてもらう場合に最適なやり方だと思います。
Supporting
Low Directive、High Supportiveな方法、左上に属するアプローチです。もうある程度自分自身で行動できるようになった相手に対し、サポートを中心に行うやり方です。具体的にはタスクを与えて任せ、困ったらアドバイスをするような方法です。自律し、自分の考えで仕事をやっていけるものの、まだわからないことがあれば助ける必要がある相手、例えば若手層に実施するべきアプローチです。
Delegating
Low Directive、Low Supportiveなスタイルが最後にご紹介する左下に属するものです。
もう自身で仕事をこなすことが出来る相手に委任(Delegating)する方法であり、相手を一人前として扱うアプローチになります。
以上、4アプローチになります。これらは相手の性格や成熟度によっても使い分ける必要があり、相手をよく観察する力が前提と言ってもいいでしょう。例えば一人前に近い人間にDirectingのスタイルを取れば、相手は自由を奪われたような感覚になり、やる気を失ってしまうかもしれません。一方で右も左も分からぬ相手にSupportingの方法を取っても、まず何からやっていいか分からないため、混乱を招いてしまうことでしょう。
MBAクラス内でのリーダーシップ
別途詳細は記載しようと思いますが、クラスでは分野による得意不得意はあるものの、皆が成熟したメンバーの集合体であるため、基本的にはSupportingかDelegatingの姿勢をお互いに取るということが必要だと考えます。中にはHigh Directiveな姿勢を取るメンバーもいますが、反発を生む可能性もあります。お互いがお互いを信用し、任せあう姿勢がないグループは大抵かなりトラブルになっている感覚が私にはありました。
以上です。
今回はSituational Leadershipについてご紹介をしました。