MBA フレームワーク Managerial Grid
- Managerial Gridとは?
- Impoverished Management(1.1)
- Country Club Management(1.9)
- Authority Obedience(9.1)
- Organization-man-management(5.5)
- Team Management(9.9)
MBAでは色々なフレームワークやセオリーを使います。何度かに分けて、それらについてご紹介をしていきます。
今回はManagerial Gridについてご紹介します。
Managerial Gridとは?
Managerial Gridとはリーダーシップ論、組織論などで出てくるフレームワークです。1960年代に作られたようですが、脚光を浴び始めたのは1980年代に入ってからのようです。簡単に言いますとリーダーの行動(思考)パターンからそのリーダーシップスタイルを分析するというものになります。
下記の図のように縦軸は人に対する関心(配慮)、横軸は製品(業績)に関する関心(配慮)という2軸を取って分析します。下から上に1~9と上がっていき、左から右に1~9と上がっていきます。その結果により5つの分類に分けることが出来ます。なお私が習った呼び方で記載しますが、この分類はいろいろ呼び方が多様なようですので留意してください。
Impoverished Management(1.1)
どちらの数値も最低のマネジメントスタイルです。簡単に言えばダメダメです。どちらにも関心がないということは物事に対する責任を取るつもりがなく、逃げてばかりというリーダーになるでしょう。このようなリーダーが組織にいる場合は結束も無ければ、当然ながら業績も上がらないでしょう。
Country Club Management(1.9)
人への関心は非常に高いのですが、業績に関しては関心が低いというスタイルです。名前の通り和気あいあいとしたクラブのような組織になることでしょう。人への気遣いが優れているため、部下は優しい人だ、と一定数の支持を得ることが出来ますが、結局業績が伴わないと最終的には組織としては成り立たなくなります。
Authority Obedience(9.1)
Country Club Managementとは真逆のスタイルです。ひたすら業績を追い求め、人の気持ちなんて知ったことか!というリーダーシップになります。文字通り権威による服従です。近年でよく問題となるパワハラが発生する組織はこのようなタイプのリーダーが多いのではないでしょうか。軍隊など人間性を無視して人を行動させるような組織ならばいい(?)のですが、ビジネスにおいてはこのようなやり方では人が付いてこなくなったというのは改めて言うまでもないようでしょう。
Organization-man-management(5.5)
数値通り両方に対してバランスよく対応しているスタイルです。一番現実的なスタイルではないでしょうか。以前の記事の※Generic Strategiesとは異なり、中途半端なのでNGではなく、バランスが良いというある程度ポジティブな評価と言っていいでしょう。しかしさらに上のスタイルがあります。
Team Management(9.9)
全てにおいて完璧に近いとされるスタイルです。組織を家族のような結束で保ちながら、高い業績目標を成し遂げる力を持っています。果たしてこんなスーパーマンは世の中に何人いるのでしょうか。
以上の5つのスタイルに分けられます。
果たして日本ではどのスタイルのリーダーが多いのでしょうか。「和を以て貴しとなす」ということわざがあることから考えるとCountry Club Managementのような気もしますが、一方でパワハラが社会問題となること、または上下関係にかなり厳しい階層社会という一面もあることも考慮するとAuthority Obedienceが多いのかな?とも考えます。
いずれにせよまずは自分のスタイルが何に当てはまるのか、そしてTeam Managementを目指すためには何が必要なのかということを考える良いきっかけとなるフレームワークなのではないでしょうか。
今回はManagerial Gridについてご紹介しました。