イギリスMBA留学挑戦に向けたTips

1年のイギリスMBA経験を踏まえた経験を書きます。志望校選択、英語試験準備(TOEFL,IELTS)、面接対策、MBA生活、クラスの様子、MBA内での試験についてなどなど。

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MBA 成績の付き方 エッセイ編

 

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MBAでの成績は以下のように付きます。

 

70点以上  Distinction

69点~60点  Merit

50点~59点 Pass

49点以下  Fail

 

日本の感覚で70点というと意外と簡単そうに見えますが、そうではありません。

私の感覚だと日本で言う80点かそれ以上がDistinctionという感じです。

 

主に以下のようなテストによって評価されます。

 

①エッセイ

②プレゼンテーション

③試験

 

今回は①エッセイについて記載をしてみます。

 

文字数制限について

 

私の経験では最小で1,500word、平均で3,000word程度で最大で8,000word、ただしグループエッセイでは10,000を超えることもありました。なお文字数制限に対し±10%が許容範囲となります。つまり3,000wordであれば2,700~3,300までが許容範囲となります。これより多くても少なくても減点の対象となります。「いいアイディアが浮かんだから長くてもいい or シンプルにまとめられたから短くてもいい」なんていうことはありません。

 

なおどこかで読んだことがあるのですが、日本語の感覚で英語の文章を書くと、3倍程度は必要という話があります。つまり3,000wordの文字数制限であれば、仮に日本語で書くと9,000文字程度の内容になるということです。さすがにそこまで極端ではありませんが、やはり思ったより文字数は伸びないという感覚は私にはありました。

 

また短ければ楽、というわけでもありません。1,500wordであれば書くことが出来る内容がかなり限定されますので、確実に書くべきことを書かなければならないというプレッシャーになります。

 

 

 

提出までの期間

 

一概には難しいのですが、課題発表から2週間から4週間程度のリードタイムがありました。ただしこの間も他のクラスは続いていますので(休暇期間でなければ)、決して十分な時間があるとは言い切れません。以前の記事にも書きましたが、とにかくMBAはやることが目まぐるしく変わりますので、こつこつと書いていきましょう。

 

余談ですが私のクラスメイトで3,000wordを提出日の朝から書き始めて、提出したという猛者がいました。ただし絶対におススメできないやり方ですので真似しないように。

 

 

エッセイのTips

 

まず大原則として「相手の聞かれたことに答える」ということをお伝えします。当たり前なのですが、これが「言うが易し 行うが難し」の典型です。

 

この理由は以下です。

 

①私たちは他人の言うことを自分の経験や考えに基づいて、恣意的に解釈する

②自分の伝えたいことを他人がそのまま理解してくれるとは限らない

 

エッセイのお題はせいぜい3~4行です。この文章から相手の意図を100%正確に理解するのは容易ではありません。またよくありがちなのは「自分の書きたいことをひたすら書いてしまう」というミスです。特に自身が得意とする領域のエッセイでは、自分の過去の経験などからこうすべき、というような考えがあり、それにひたすら追従してしまうというものです。もちろんそういった経験やアイディアは重要なのですが、相手がそれを望んでいるかは分かりません。どんなに素晴らしいアイディアでも教授の聞きたいこととマッチしなければスコアは出ません。

 

また仮に理解できていたとしても、自分の文章を相手が理解してくれるかという問題も出てきます。つまり自分はその通りに答えたのに、相手側には伝わらないという問題です。エッセイは基本的には文字オンリーのコミュニケーションです。自分ではこう書いたのに!、ということが通じないケースがあります。

 

ではどうすればよいのでしょうか。私の考察は以下です。

①何を求めているか、可能な限り相手に確認する

②クラスで使用した分析手法、フレームワークを必ず使う

③質問に対する明確な答えの部分をエッセイ内に用意しておく。

 

まず①ですが、少しでも不明な部分があればなんとか教授を捕まえて質問しましょう。私の経験談ですが、課題を見た瞬間にとにかく何を書いたらいいのか分からなかったケースほど、成績は良い傾向がありました。というのも教授に何度も質問をしに行ったからです。あるケースではどうしても方向性が分からず、自分の理解をパワーポイントにまずまとめてエッセイの方向性を相談したこともあります。こうすると相手の求めていることと自分が書くべき方針が合っていきます。

 

②については自分の得意分野の場合ほど、ここをスキップする人がいます。基本的には教授は自分のクラスの内容の理解を求めていますので、これらを使わなければ必然的に評価が下がります。教授との共通認識での分析を行うためには必ず分析手法、フレームワークを取り入れましょう。オリジナリティは別で出せばよいのです。

 

③については、私はあえて質問文と同じ書き方・単語を用いた項目を作ることをしました。つまりこのパラグラフであなたの質問に答えていますというポイントを明確にするということです。上述した通り、自分では答えを書いたつもりなのに相手が分かってくれないという問題が発生し得ます。それを防ぐためには敢えて同じ言葉で項目を作り、そこで答えていますというアピールポイントを作りました。

 

 

以上です。

またPlagiarismを避けるなど基本的なことは下記の以前の記事をご参照ください。

 

tomlums.hatenablog.com

tomlums.hatenablog.com

 

MBA クラスの種類

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既に以前の記事でも触れましたが、私がいたMBAではグループワークが大半でした。クラスにもいろいろな形態がありましたので、今回はMBAで行われるクラスの種類について記載します。

 

レクチャー型

 

日本でもよくある教授がレクチャーをし、生徒は聞くというパターンです。ただしこれも静かに黙って聞いているのではなく、活発なディベートのような形で進んでいきます。教授から投げかけるというより、生徒がどんどん質問していくことによる議論の白熱です。私のクラスでは柔らかいクッションに入ったマイクがあり、質問がある生徒に投げ渡されていくという面白いやり方でした。

 

ただし正直私はこのタイプのクラスはあまり得意ではありませんでした。というのもともかくスケジュールがタイトなせいか、教授の進めるスピードがものすごく早い(当然英語も)のと、生徒の質問から始まる議論がかなりあっちこっちに話が発展していくからです。とにかく話についていくのに精いっぱいなことが多く、積極的に発言できたかというと、そうではありませんでした。自分の反省ポイントです。

 

このレクチャー型でもミニグループワークが始まることが多く、30分で回りのメンバーと議論して発表せよ、というようなことが良くありました。

 

 

グループワーク型

 

教授がある程度ガイドラインを説明した後はグループで進めていくパターンです。

午前に説明、午後に(終わらなければ夜まで)グループワーク、午前に発表と説明

というパターンと1日か2日前説明があって、あとは一気にグループワークというパターンがありました。

 

私のクラスの場合、このグループはMBAオフィス側から割り当てられていたものでした。一年を通じてある程度全員と組むことが出来るように配慮されたものでしたが、当然なんども同じ人と組む場合もありました。このグループワークは5人程度の少人数ですので、お互いの理解を含める良いチャンスです。

 

ただこのグループワークは前回の記事の通り、非常に難しいものです。場合によっては口論に発展することもあります。上手く行かなければ深夜までやって、朝に再度とやったこともあります。(朝来たのは数名でしたが)

でもそれでもかけがえのない経験ですし、私はグループワーク型が多いMBAをおススメします。なぜなら実際のビジネスもグループで行うからです。一人で出来る仕事は世の中にほとんどありません。何らかの形で皆協力してやっていく必要があります。ですので、この出身も経歴も年齢も、何もかも違うメンバーとどうやって目標に向かってやっていくかということは大きな人生の財産になります。

 

企業コラボ型

 

実際の企業を訪問し、課題を貰いながらMBAコンサルタントとして解決を目指していくパターンです。私が志望校選びの際に重要視したのが、この企業コラボ型がどれくらいあるかです。私のクラスの場合は3回に渡り、各グループで企業に向かい合い、課題解決に向けたリサーチや提言を行いました。

 

過去に起きたケーススタディーやビジネスシミュレーションとは異なり、今ビジネスで起きている問題に直接かかわることが出来ることは大きな経験値となります。1年間のうちで4カ月くらいはこのクラスがありましたので、非常に実践的で満足でした。

 

この場合評価はMBAオフィス側に出す論文で評価される場合とクライアントからの評価ももらう場合がありました。あるグループではクライアントの評価は高いのに、MBAオフィスの評価は低いという場合もあり、これはなかなか難しい問題だと思いました。いわゆるMBAオフィスはアカデミックな評価をするので、ビジネスとしてのみ判断するクライアントとの差分が生まれるようです。

MBAのグループワークと序盤のTips

 

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MBAでおそらく皆様がぶつかるであろう壁、それがグループワークです。このグループワークは避けて通れませんし、むしろMBAの醍醐味でもあると私は感じました。今回はグループワーク、特に序盤のTipsなどを述べていきます。

 

MBAのグループワークはなぜ難しいのか

そもそも留学におけるグループワークは難しいと言われ、多くの日本人が苦慮しています。その中でも私はMBAのグループワークは非常に難しいものと思っています。

 

理由①カリキュラムが多忙で、トピックが目まぐるしく変わるため

以前の記事から書き続けていますが、とにかく短期間でいろいろなことについてディスカッションをしながら取り組む必要があります。自分のバックグラウンドに近いトピックでない場合、まずは自分の理解から深める必要があります。そうなれば必然的にグループワークそのものも難しくなっていきます。

 

理由②様々なキャリアを経験してきたプロが集まるため

コンサル、ファイナンス、HR、エンジニア

メーカー、銀行、流通、行政

などなど多様なキャリアを持つ生徒が一堂に会する場がMBAです。みんな自分の経験があり、自分なりの目線をもって対応が出来るメンバーが集います。こうなると当然意見の相違が出てきます、同じトピックでもモノの見方が全く違うことがあります。ある意味成功体験をたくさん持っている方が多いので、その経験や思考パターンを正解として考えがちです。そしてそれは当然みんな異なります。

 

理由③年齢、国籍なども非常に多様であるため

これは選択したMBAコースによってそうでない場合もあると思いますが、大概のクラスに当てはまると思います。これにより言葉のイントネーションといった分かりやすいポイントから思考方法も変わってきます。これらがグループでの活動をより難しくしていきます。

  

以前の記事でも書きましたが、最初のころのグループワークはまさにカオスです。その中でも東アジア系の出身はどうしても静かになりがちです。日本、韓国、タイなど私も含む面々は非常に苦労したと思っています。とにかくマシンガントークの中に入れないと発言しろ、とチームメイトから見られますので、最初はグループワークのたびに大変な思いをしたのを今でもよく覚えています。

 

なお私は、「Nationalityは個人の性格を決定しない」と思っています。その人は性格やその人によって決められるものです。ただしコミュニケーションの初期段階においては、やはり出身によって傾向が出ると思いました。なお慣れてきてからはその人により、性格が出てくるので出身による傾向というのはなくなってきます。

 

ガンガン自分の意見を述べる他国の学生に押されがちな理由としては、

 ・英語力がネイティブに比べて低い

・相手の意見を尊重する

・話の流れを重視する

 というようなことが考えられます。

 

ではどうすればいでしょうか。

以下はMBA序盤のTipsです。

  

MBAのグループワーク 序盤のTips

 

①話の流れに合わせることに意識を取られすぎず、自分の意見を述べる

 

まだ知り合って間もないメンバーの中で、とにかく猛スピードで進む会話の流れを読み、それに合った適切なコメントを出すのは至難の業です。以前の記事でも書きましたが、ネイティブ同士でかみ合わず会話を続けている場合だってあるのです。ここで???を並べながら待っていたら、自分の意見を述べる機会は生まれません。ですので、ここは話の流れと違うかも?と思っても、とにかく自分の考えを述べましょう。もちろん全く関係ないことを話してもいけませんが、例えばトピックになっている話を自分で調べてきた内容などであれば、チームメイトは歓迎するでしょう。基本的に前向きな姿勢や善意は評価されます。

 

このためには事前の準備が肝要です。私はケーススタディーなどがあれば必ず事前に読み込み、自分の考えを事前にパワポのスライドなどにまとめてみたりしました。これにより多少スピーチに自信がなくても、自分の考え方が伝わる可能性が高くなります。その努力を否定する人はいないでしょう。

 

②会議室の予約、資料の準備、スケジュールの設定などを積極的にやる

 

スピーチやディスカッションが大好きな人はたくさんいますが、意外とこういった細かいことに無関心な人は多いです。「こんなの誰でもできる」と思うかもしれませんが、グループが活動していく上では重要です。それであれば自分がやればいいのではないか、と思った私は積極的に実施するようにしました。チームメイトの信頼はもちろん、これらをやることでグループが今日何をするのか、今後どうするのかというプロセスに自分ががっちりとかんでいくことが出来ます。これらを雑用と考えるのはあまりにもモッタイナイです。

 

また私は自分のパソコンで資料投影を良くしていました。これにより議論が自分のスライド投影のスピードと一致してきますので、少し議論をコントロールできるようになり、また各自の意見を資料に書き込むことで全員に見える化が出来ます。ホワイトボードの前に立ち、意見をまとめるという方法もよいでしょう。

 

 

以上が序盤のTipsの一部です。

序盤はどうしても信頼関係が不足しているため、苦労しがちです。

ですが、これを乗り越えれば話の流れをもっと良い方向に持っていける意見が言えたり、グループの中でリーダーシップを発揮することも出来てくるはずです。

MBA 一日の過ごし方(平日・休日)

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MBAは眠れないという噂を聞いたことがあります。特に1年制のプログラムの詰め込みカリキュラムでは息つく暇もないと。私の経験から申し上げますと、そんなことはありません。確かに忙しいなあと思いましたが、スケジュール管理をできれば、眠れないなんていこうことはありません。というより、1年間も眠れない日々が続いたら壊れちゃいますし、クラスでのパフォーマンスもドンドン落ちてきます。

 

ではどのような一日の過ごし方を私がしてきたのか、サンプルとしてご紹介します。

 

平日の過ごし方

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 まず日中はクラスがあります。9時~17時みっちりのときもあれば、10時開始とか、16時終了などもあります。また午前はクラス、午後はグループワーク(各自で決めて行動)ということもあります。昼食は友達とキャンパス内のレストランに行ったりもしましたが、基本は寮に一度帰っていました。(徒歩5分なので)特に疲れているときは10分でも仮眠をとるだけで、大分午後のクラスが楽になります。

 

クラス後にグループワークを行うこともよくあります。(上の表で言うと自習の時間)例えば今日のクラスの内容をもって明日のクラスでプレゼンせよ、のようなことがありますと当然準備をしなければなりません。毎日プレゼンするというようなクラスがなんどかありました。こうなれば必然的に毎晩グループワークです。

 

グループワークがない場合、私は一度寮に帰り休憩と夕食を取った後に図書館に行きました。やることは予習復習に加えて、課されているエッセイの対応などです。

 

週に数回しかクラスがない修士などに比べると確かに圧倒的に忙しいのですが、日本の長い労働時間を経験されてきた方々からすると、時間的にはそこまで驚くほどではないと思います。私はとにかく移動に関する時間が圧倒的に少ないため、ストレス少なく毎日を過ごしていました。ただし当然ながらチャレンジングな毎日ですので、序盤はとにかくへとへとでした。

 

休日の過ごし方について

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どちらかの午前は街に出て、買い物のついでに気分転換をしていました。キャンパス内でそれなりにそろいますが、たまには街で昼食を取ったり、服を買ったりするだけでも気分が晴れます。

 

午後は予習復習・課題対応で図書館へ行き、その後ジムへ行くのがルーティーンでした。寮に戻り夕食を取った後は再び図書館に向かい、対応を継続していました。私は自分の部屋は休む場所としたかったので、必ず図書館やマネジメントスクールの空き教室に向かいました。友人には「図書館は自分の第二の家だから」とよくうそぶいていたものです。

 

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平日休日ともにこのような過ごし方でしたが、もちろん友人と遊ぶこともよくありました。フットサルやスカッシュをやったり、バーで飲んだり、休日は旅行に行ったり。ただ私の場合その余裕が出てきたのはWinter break明けのTerm2からでした。Term1は本当に勉強漬けであった記憶があります。

  

予習復習・課題対応について

 第二の家こと図書館でよく行っていた予習復習・課題対応についてです。別途エッセイや試験への対応については纏めるつもりですが、私は必ず早めに取り掛かるようにし、毎日少しずつでも進捗を図るようにしました。勿論一気に数日で片付けるというタイプの方もいらっしゃると思いますが、MBAではおススメできません。なぜならば毎週のようにクラスが始まっては終わりを繰り返すからです。当然ながらグループもクラスごとに変わります。

 

これが何を意味するかと言いますと、次の見通しがつきにくいということです。カリキュラムが実際に公開されているとはいえ、実際受けてみないとクラスのスピードも分からないですし、日々の課題がどれだけ出るかも分かりません。またグループも誰と組むか分かりませんので、スムーズにはかどるかどうかも不明です。グループによっては紛糾してしまい、膨大な時間がとられることもありました。ですからエッセイ提出まで2週間ある、来週で1週間かければ終わると思っても、その週のグループワークがうまく行かなかったとしたら、エッセイも悲惨なことになります。眠れない、という事態が発生するかもしれません。

 

繰り返しになりますが、おススメはとにかく毎日やるべきことをこなしていくことです。これにより毎日のタスク量が平均的に馴らされていき、大きなヤマを作らなくてよくなります。MBAはとにかく目まぐるしく動いていきます。だからこそ毎日の行動が重要になっていくのです。

 

MBAクラス 1週目の様子

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さあようやくクラス開始について書きます。

 

MBA開始第一週目、これは生涯忘れることのない思い出です。

 

MBA初日とクラスの構成

 

準備コースを終え、10月1日になりました。

指定されたLecture holeに向かいます。

ドアを開けた瞬間、目に入ってきた教授席を取り囲むような半円のクラスルーム。

教授席には「MBA」の文字、席には私のネームカード。

この瞬間、私はようやく目指してきた目標の入り口に立てたのだと、心が震えた思い出があります。

 

アジア系ばかりの準備コースとは異なり、世界各国からやってきた同僚たち。私のクラスは21か国からやってきた51人で構成されていました。

教室に貼ってあった世界地図に自分が来た国をポイントアウトすると、北米、南米、東アジア、南アジア、豪州、欧州、アフリカと地図が埋まるほどのナショナリティーの多様さです。バックグラウンドも様々で、マーケティングファイナンス、エンジニア、HRと業種もばらばらです。もちろん業界も銀行、メーカー、コンサル、さらには軍隊出身まで!年齢も上は39歳から下は※25歳までという構成でした。

※20歳で大学を卒業、5年の職務経験

 

このような状況下、緊張の1週目を迎えることになりました。

 

MBA1週目 試練の初週

まずはMBA Directorによるコースの概要や目的について話がありました。

早速バンバン質問する同僚たち。やや圧倒されながらもなんとか話についていこうと精一杯話を聞きます。その後は怒涛のグループワークの開始です。いきなり専門科目についてやるのではなく、まずは工作のようなことをグループでやります。例えば期の枠組みなどを使い、目標とされるものを作ること。当然ながら作成物が目標ではありません。その過程でこの多様なメンバーと一つの目標に向かって進むことが如何に難しいかを痛感させることをMBAオフィスとしては狙いとして設定していたと思います。ともかくこんなに多様な面々がそろうと一つ物事を決めるだけでもものすごく時間が掛かります。お互いの思考パターンが異なる為、プロセスの考え方が合わないという側面にぶつかります。

 

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またこれは不思議なことなのですが、英語がお互い堪能であっても会話がうまく成り立たないという奇妙な現象がありました。

 

クラスでイギリス人とインド人が会話しています。お互い途切れず言葉を交わしているのですが、後ろにいたタイ人が怪訝そうにのぞき込み、こう言いました。

 

「お互い違うことを話しているように聞こえるんだけど・・」

 

これはタイ人の見解が正しく、実がお互い理解しあわないまま、自分の解釈でひたすら話していたというオチです。イギリス人は当たり前ですが、インド人もほぼネイティブです。IELTSで言えばSpeakingで9.0をたたき出すくらいの正確さですが、なぜか通じ合いません。これはお互いのバックグラウンドが異なるがゆえに思考のパターンがかみ合わず、お互い相手の言っていることを自分の恣意的な解釈で受け取り話しているためです。

 

このあとDirectorより、こんな話がありました。

 

「みんな、他人のことを自分と同じ星に住んでいる思い込んでいる」

 

これは当然比喩的な言い方ですが、要は自分の解釈で相手を見ているということです。

この解釈は自分のバックグラウンドによって大きく左右されます。

比較的近い人物には話が通じ合うのですが、これが地球の裏から来た別の経歴の持ち主と話すと英語の問題と違う部分で話がずれてしまうということです。

 

このような状況下でもグループワークは続きます。私のクラスの場合、週末にキャンパスから離れて、1泊2日でグループワークを行いました。はっきり言って本当に疲れました。朝から深夜までひたすらグループで協議し、実行というハードスケジュール。ともかくみんな自分の言いたいことを言い合うドッチボール大会状態です。話が終わっていないのに自分の言いたいことが終わって満足したのか、勝手に部屋に帰って眠る人も。

 

やはり我々日本人含むアジア系は静かになりがちで、もっと意見しろとフィードバックを貰う始末。ようやく2日目の夕方になりバスでキャンパスに帰る際にはヘロヘロでした。本当にMBA1週目は1カ月間、もしくは3か月くらいを一気に過ごしたような疲労感でした。ただ帰りのバスで横の友人(韓国)とこんなことを話したことを今でも覚えています。

 

「こんなにつらい1週間は初めてだ。ただそれでも1週目を乗り越えられた。

 だから自分たちはやっていけるはずだ。」

 

なお後でみんな仲良くなった後に話したのですが、1週目はほぼ全員クタクタで、中にはもう帰りたいと家族に話していたという人もいたそうです。今となっては笑い話ですが。

 

みんな悩んで、しかし、やりきっていけた1週目でした。