MBA フレームワーク PESTEL
MBAでは色々なフレームワークやセオリーを使います。何度かに分けて、それらについてご紹介をしていきます。
今回はマーケティング分析で使うPESTELについてご紹介します。
PESTELとは
これはマーケットを取り巻く状況を上位からするときに有効なフレームワークです。上位というのは一つ一つのマーケットの状況分析だけでなく、文字通り世界の状況を様々な観点から分析するということです。よくPEST分析という名前を聞くことがあると思います。このPESTELはそれにLを加えたものになります。
Politics(政治)
Economy(経済)
Social(社会)
Technology(技術)
Environment(環境)
Law(法)
Politics(政治)
Politics(政治)は文字通り政治にかかわる状況分析です。昨今で言えば米中の対立やイギリスのEU離脱、日本で言えば首相が変わったことなども挙げられるでしょう。政治は非常に大きなインパクトをビジネスにもたらします。特に現在はコロナの件もあり、反グローバル化が進みそうで、今後の予測が非常につきにくい状態です。
Economy(経済)
Economy(経済)は経済活動を表します。GDPや株価、消費者物価指数などの数値的なものなどを分析していくと今の経済状況が明らかになってきます。上のPolitics(政治)とも結びつきが非常に強い要素があります。
Social(社会)
Social(社会)は人々の行動や生活様式の分析となります。Politics(政治)、Economy(経済)とは連動している部分が多々あります。政治が不安定となり、経済が落ち込んでいるときは自然と人の行動も悪い方向に流れていきます。現在のコロナ禍においては人の行動が大きく制限されるなど未曽有の事態が起きています。また政治経済と直接的に連動せずとも何らかの流行りが人々の中に生まれ、行動が変化する場合があります。
Technology(技術)
Technology(技術)は現代社会においては非常に重要なものの一つでしょう。特に近年はインターネットの急速な発達により、社会=人々の暮らしに大きく影響を与えています。また5Gをめぐる政治的対立であったり、技術革新は経済にも大きく影響を及ぼします。
Environment(環境)
Environment(環境)も現在では見逃せない重要な要素の一つになっています。SDGsという言葉が非常に流行していますとおり、企業活動にも環境は重要視していかないと株主や周辺住人などから大きく評価を下げることとなります。これは決して自分の国だけではなく、サプライチェーン上にある他国の環境も考慮に入れていく必要があります。
Law(法)
最後がLaw(法)です。PEST分析にもう一つ加えられたこの要素は非常に重要なものであると私は理解しています。ビジネスにおいて法規制は大きな影響をもたらします。金融など事業そのものに規制を掛けられるものも勿論ですが、昨今ではSDGsの流れを受けて環境破壊を禁ずるもの、労働者を守るものなどの法律が次々と出来上がっています。さらには自治体の条例なども場合によっては考慮が必要です。特にマーケットがローカル化しつつある近年ではその土地のルールを守る必要があります。政治や社会の中ではなく、法として独立して取り上げることは大変重要なポイントだと思います。
以上です。
シンプルですが、社会の要素を多面的にとらえることが出来るPESTEL分析はまず企業分析に入る前に行うと非常に効果的です。