MBA フレームワーク VRIO Analysis
MBAでは色々なフレームワークやセオリーを使います。何度かに分けて、それらについてご紹介をしていきます。
今回はVRIO Analysisについてご紹介します。
VRIO Analysisとは?
VRIOとはValue(経済的価値), Rarity(希少性), Imitability(模倣性), Organizational support(組織力)の頭文字を取ったものになります。各項目の説明は後ほど致しますが、この分析の主目的は「企業が持っているリソース、ケイパビリティは持続的な競争力を持つか」ということ明らかにするものにあります。簡単に言えばその企業の価値を図るものとお考え下さい。下記の図のように横軸にVRIOと並べ、縦軸にそれがあるかないか(YES or NO)を当てはめていくことで、その企業の競争力を評価できます。
Value(経済的価値)
読んで字のごとくですが、経済的価値を持つ資産があるかということですが、特に外部のニーズを満たすことが出来る資産があるかという点、そして競合などをはじめとするほかからの脅威に対して対抗できる資産を持っているかということになります。これがない、ということであればその時点でCompetitive Disadvantage、競争力なしという判断になります。
Rarity(希少性)
同じくそのままですが、他社が持っていない資産、経営資源をどれだけ持っているかというポイントになります。ビジネスにおいて希少性はそのまま差別化につながります。これがない場合は似たような製品やサービスで他社と競争することになります。Competitive partlyとなり、部分的には競争力があると評価できることになります。
Imitability(模倣性)
上記の希少性につながるところがありますが、マネしやすいものかどうかという判断基準になります。例えば技術特許を持っている、特殊なビジネスプロセスを確立している、長い歴史・ブランドを持っているなどがあげられます。これらを持っていないとなるとTemporary Competitive Advantage と考えられます。
Organizational support(組織力)
上記をすべて持ち合わせている企業への最後の評価基準がOrganizational support(組織力)
です。十分な組織力を持って上記の特性を活かし切れるか、ということを読み解く必要があります。ここがない場合は、Unused Competitive Advantage となります。
以上のVRIO全てに対してYESと評価できる企業はSustainable Competitive Advantageということで長きにわたり競争力を持ち続けることが出来る非常に有望な企業と言えるでしょう。
目安ですが、
Competitive Disadvantageは標準以下
Competitive partlyは標準
Unused Competitive Advantageは標準以上
Sustainable Competitive Advantageは優秀
というように評価できます。
Sustainable Competitive Advantageが理想ですが、そこまでたどり着いている企業はごく僅かでしょう。特に現代においては希少性、模倣性を確保し続けることは容易ではありません。
ただこの分析をしながら、その企業がどこに位置づけられるか、そして今後どのような競争力を身につければよいか考えることが出来るようになるはずです。
今回はVRIO Analysisについてご紹介しました。