イギリスMBA留学挑戦に向けたTips

1年のイギリスMBA経験を踏まえた経験を書きます。志望校選択、英語試験準備(TOEFL,IELTS)、面接対策、MBA生活、クラスの様子、MBA内での試験についてなどなど。

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MBA VUCA Worldへの取り組み②ビジネススクールの失敗

 

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現代はVUCA Worldへ突入しています。MBAではこの時代にどうやってビジネスを導いていくのかを考えさせてくれました。何回かに渡り、私なりに学んだことを記載します。

 

ビジネススクール(マネジメントスクール)はこのVUCA Worldに取り組むことができるリーダーを育てていく必要があるのですが、今まで「間違ってきたことを教えてきた」ということをまず教えられました。今回はSumantra Ghoshalというインド出身の経営者が「Bad Management Theories Are Destroying Good Management Practices」という書籍の中で指摘したものなどを中心に教わった内容を記載します。

  

企業は誰のものか?

 

企業は誰のものか?という問いを向けられたとき、よくある回答としては「資本家のもの」「株主のもの(株式会社)」のというものでしょう。それは間違っていないのですが、だから企業は「資本家(株主)の要望を満足させることがミッションである」というように今までの経営者達はビジネススクールから教わってきました。しかし果たしてそうなのでしょうか。

 

例を株主とすると、極端な話デイトレーダーのような人々も株主になります。彼らは簡単に株主であることを辞めることができます。株を売ってしまえばそれでさようなら、です。実はあらゆるステークホルダーの中でも株主は非常に離脱のしやすいポジションにいるのです。

 

しかし従業員はどうでしょうか。いくら雇用が流動的な国であっても、今日入社して明日に退社するなどということはほぼありません。なぜなら生活が懸かっているからです。その人に養うべき家族がいるのであれば、その家族だって困ります。

 

あるいは近隣に住んでいる人も同じです。都内のビルの一室の入っているような企業ならともかく、工場を持っているような企業であれば地域住民にも大きな影響を与えます。住人は簡単に引っ越せませんし、場合によってはその企業によって雇用されているなど深いつながりがある場合が多くあります。

 

このような中で「株主の利益を最大化する」ことだけを目指していたらどうなるでしょうか。従業員は不幸になり、近隣住民から反対運動が始まるかもしれません。そうすればその企業の価値が下がってしまうことは言うまでもありません。昨今注目されているCSRの考えにはこのように株主以外のステークホルダーと有効な関係をどう作り上げるか、という観点で非常に重要なものと言えるでしょう。

 

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人は科学で分析できるのか?

 

同じくビジネススクールは人をある意味科学の延長のような形でとらえ、分析をしてきました。利益を最大化するために人は数値化され、機械的に扱われてきました。その結果、人がimmoralでunethicalな行動をとるように仕向けてきました。利益を最大化するための道具、Star warsのクローン兵のような機械的な集団にビジネスパーソンはなってしまったのです。

 

ですが、当然ながら人にはMoralやEthicalな側面も非常に重要です。これらがなければ利益のために環境を破壊し、あるいは他人を踏みにじってでもよいという結論に至ってしまいます。また人間には感情があり、それはビジネスの場面でも必ず出てきます。このように人間的な側面をないがしろにしてはいけないということをビジネススクールも気が付きました。人が持つMoralやEthical、そしてEmotionalな側面もきちんと考慮に入れ、数値的に考えるだけではいけないということを教えてくれます。

 

 以上のようにビジネススクールは「株主の利益のみを追求する」「人をあたかも機械のように扱う」というような失敗を教えてきました。

 

ただし昨今のVUCA Worldにおいてこのようなアプローチは既にしておらず、より複雑なステークホルダーを意識し、また人の様々な側面に焦点を当てています。